チャイナウォッチャーのバヤシです。
外務省の発表により、
2017年5月8日から中国人への訪日ビザの発給要件が緩和されることになりました。
早速新しいビザの発給要件情報などをまとめました。
中国人への訪日ビザの発給緩和は外交手段の一つです
2016年の中国人の訪日旅行者数は637万人でした。
2017年は800万人を目指しています。
ビザは外務省が管轄する入国管理制度です。
ビザは外交戦略としての側面が大きく、その国とのパワーバランスや、支援額、経済的な連携の親密度などにより変わってきます。
中国人への訪日ビザ緩和政策は、日本が今後観光大国を目指すにあたり、中国人旅行客の重要性を感じている現れだと思います。
中国人の訪日ビザ緩和について
中国人のビザ区分概要は以下の表のとおりです。
※青字部分が今回緩和された内容
ビザ緩和によって、新しく個人観光数次ビザができた
ここ数年中国人の日本旅行者数が増えているのは事実です。
これほど日本にくる中国人を目の当たりにすると
中国で日本旅行がブームになっているように錯覚するかもしれません。
しかし、実際には日本旅行よりも、タイや韓国への旅行者の方が多いです。
中国人全体が裕福になり、海外旅行者の総数が増えていっていますが、日本だけが大人気というわけではありません。
今後、まだまだ訪日中国人客は増える可能性は高いでしょう。
中国人の訪日ビザ緩和が段階的に進むことで、一層旅行客は増えていきます。
日本政府が個人観光数次ビザを新しく作った理由は、
今後の旅行形態の多様化に対応したものだと考えられます。
今までのような団体旅行の買い物ツアーから個人旅行へのシフトです。
今後は
中国人旅行者のリピーターが増えて欲しい
という日本政府の意思表示だと感じます。
東北3県から6県に中国人の特別ビザ範囲拡大
特別ビザの発給要件として
2017年4月までは
東北三県(岩手県,宮城県,福島県)
だったのが、
東北六県(青森県,岩手県,宮城県,秋田県,山形県,福島県)
にまで拡大されました。
これにより、
東北地方への中国人集客を活性化させる
という戦略がみえます。
特に青森、山形、秋田は旅行者が多くないので、新しい観光収入を期待しているのでしょう。
中国人の旅行スタイルが、モノから体験などに移っていくにあたり
自然豊かな東北地方は魅力的な提案ができそうです。
今後の中国に対する訪日ビザ緩和政策
今回の中国人の訪日ビザ緩和政策により、一層中国人旅行者が増えるはずです。
大きな緩和条件は上述したようになりますが、今回の緩和では個人のリピート客を取り込むという政府の意識がみられます。
過去のビザ政策は、中国人を規制して、日本で問題を起こす人を管理しようという体制でしたが、
中国人旅行者が最大の訪日顧客となった今、いかに簡単に日本にきてもらえるかへ、ビザ発給緩和へと舵をきっています。
まとめ
2020年までに4000万人の旅行客達成するには、中国人旅行客へのアプローチが最大のポイントでしょう。
中国人の世界におけるプレゼンスは年々高まっています。
以下の表をみるとGDPは現在アメリカについで2番目の規模を誇り、
10年前から比べると、2倍以上の伸びとなっています。
いずれ中国人がビザなしで日本へ来ることが出来るような時代になると変わっていくと思います。
それは
中国と日本のパワーバランスが変わり、中国に依存する部分が大きくなる
からです。
その時にどのようにコミットしていくかが大切だと思っています。
コメント
香港のビザ取得事情も是非知りたいです。
香港のビザ取得事情についても知りたいです。