ニーハオ!イマチュウ代表のバヤシです。
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中国で最も利用されているアプリで、現在月間アクティブユーザーが10億人を超えているWechat。サービス発売当初はチャットツールとして利用されていましたが、現在は電子決済や、ゲーム、ECなど多くの機能が追加されています。
そんなWechatの成功ははたして必然だったのでしょうか?それとも偶然だったのでしょうか?
今回はWechatが成功した理由を分析してみたいと思います。
Wechat開発チームはテンセント社のメールボックスチーム
テンセント社の展開するアプリWechatがテンセント社のどの部門で開発されたかを知っている人は少ないと思います。社内にはモバイル系アプリの開発部門も当然もっていましたが、Wechatを開発したのはメールボックスチームでした。
テンセント社は深センに本社があり、展開するサービスの多くは深セン本社で開発されたものですが、Wechatを開発したメールボックスチームは広州にあり、200人程度の会社でした。
大所帯の深セン本社から離れていたことが、周りの環境をシャットアウトし、自社のアプリ開発に没頭できる環境になり得ました。そして人材流動が大きい中国において、広州のWechat開発チームは不用意に新規採用を行わず、人員が足りないような状況でもその採用ハードルを下げなかったことが優秀な人材を確保できた理由と言えるでしょう。
Wechatはユーザー優先の開発思想
中国で色んなアプリを利用していると、嫌気がさすことが多々あります。それは画面上に色んな広告が出たり、課金へと誘導するような案内が頻繁にでることです。テンセントが開発したチャットツールQQを使っていても、多くの誘導があり個人的にはあまり好きではありませんでした。
そんな中登場したWechatは極めてシンプルで、ユーザーの使いやすさを最重視したアプリだと感じることができました。シンプルでありながらも革新的な機能を備えたWechatが受け入れられたのは、ユーザー目線を常に持ち続けたことが大きいと思います。
Wechatがチャットツールから脱却した
Wechatの地位を不動のものにしたのがモーメンツが発売された時期だと感じています。今までのチャットツールであれば他社が類似サービスを開発しWechatを超えることも考えられましたが、モーメンツを作ることで、Wechatがチャットツールではなく、コミュニケーション機能を持ち、生活の中に根付くことになりました。
今では多くの人が毎日友達のモーメンツを見て楽しんでいるように、コミュニティ形成ができたWechatから他のサービスに移るということは考えにくいです。
まとめ
中国でWechatが受け入れられたのはテンセント社の中でも別の開発部隊である広州が担当したという偶然、その優秀な開発担当がユーザーの使いやすさを追求し、新しいサービスを投入し続けた点、モーメンツでコミュニティを形成した点などが挙げられるでしょう。
今後も新しいサービスを展開していくであろうWechatから目が離せません。
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