日本企業の中国IT企業視察ツアーでやってしまいがちな過ち

視察ツアー

弊社は創業以来「今の中国を伝える」という主旨のもと中国視察ツアーを数多く開催してきました。

メーカー、自治体、学校、経済団体、個人、投資家等色んな団体を中国視察ツアーにお連れして感じたこと、また実際に中国企業から言われたきつい一言等を紹介することで、日本の皆様が中国視察ツアーに行かれる際の参考にしていただければ幸いです。

中国の視察ツアーはここ2年で急増している

中国経済は、ここ数十年のうちに日本の高度経済成長を彷彿とさせるほどのドラスティックな成長を遂げました。

スマホをタップすれば中国経済の記事に事欠かず、本屋へ行けば中国経済についての本が並ぶ、私たちはそんな時代に生きているのです。

また日中関係も2016年を底辺にここ3年は回復してきており、ITベンチャーの成長や日本を凌駕するようなイノベーションが中国から起こっているということも日本メディアで取り上げられることも多くなっています。

皆さんの中にも中国経済に関する情報に触れる中で、こう思ったことはないでしょうか?

 「色々言われているけれど、中国では実際のところ何が起こっているのか?」

中国経済についての情報には、的を得ているものもあれば、50年前に書かれたものを間違って現代に発表してしまったと思われる眉唾ものの記事も存在します。

中国経済は今後どうなっていくのでしょうか?

産業形態を変えながらこれからも力強く成長していくのか、それともあえなく破綻してしまうのか?

特に以前は中国崩壊論等も流行るほど日本の中で中国がネガティブにとらえられることが多かったですがここ数年はシェアリングサービスやSNSアプリなど中国から日本で輸入されているようなものも増えているのが実情です。

是非中国に興味を持っていただき、ご自身の目で今の中国を見ていただきたい。というのが弊社が中国視察ツアーを実施している目的であります。

中国視察ツアーの目的を明確に定める

せっかく安くないお金を払って中国の現地企業を視察するのですから、より大きな収穫を得たいと考えるのは自然なことです。

そこで、実りあるビジネスツアーを実現するために必ず必要なのが、

「この会社と自社(もしくは自治体)でどのような良いものを生み出せるのか?」

という目的意識です。目的が決まれば、それを達成するための材料を揃えていきます。営業担当者が自社の商品やサービスを相手方に売り込みに行くのと全く同じです。

弊社に依頼を頂く企業にまず聞いているのがこの視察目的の部分です。

例を挙げると

「深圳が今面白いらしいから行ってみたい」

「アリババの視察がしたい」

「自社のサービスを中国に売りたい」

という程度の目的意識だと視察が良い結果になることは正直少ないです。動機はそういったもので構わないと思いますが、もっと深く自社と今回のツアーを通じて得られるものを考えて展開する必要があります。

そうなると、ただアリババの視察がしたいというだけではなく、アリババの展開するニューリテールの仕組みとビッグデータの活用方法を知りたい。そして自社でも実施できそうな部分と考えている〇〇について、既に実践されているアリババ系のスーパーではどのように運用しているか。仮定を検証していきたい。という自分(自社)のテーマがありその課題解決のヒントを探すツアーという位置づけになり、質問内容や見るべきポイントも深いものになるでしょう。

視察ツアーに参加する、と言うと、会社を訪問した後で観光地を見て回り、夜は上海蟹で一杯、というイメージが多少なりとも頭に浮かびますが(実際にそういった視察ツアーもありますが)、視察とは言っても、ビジネスシーンの一つであることに変わりはありません。

中国ではストレートな意思表示が好まれますから、こちらから売り込むことは、決して品のないことではありませんので、ビジネスになりそうな話が出たときに積極的に動けるよう準備をしておくことが重要です。

弊社では少なくとも視察先に事前に提出できる簡単なプレゼンデータや訪問目的とその主旨をまとめたものを準備して頂くようお願いしています。

中国は本気のビジネスを求めている

 ビジネスツアーは、業種や値段、日数によって、簡単な日帰りツアーから5日間程時間をかけてじっくりと視察するものまで様々です。視察の大まかな流れは、まず訪問先企業の企業理念や生産する商品の説明から始まり、実際の現場を見学した後、質疑応答という形を取ります。

 視察中は、会社側が自社の事業や企業理念、取り組みについて熱心に説明してくれます。日本人の感覚ですと、小学校の社会科見学の延長とも捉えられがちですが、この点には注意が必要です。

 忘れてはならないのは、相手方は

「ビジネスを通じて価値を創造する」為に視察を受け入れている

という点です。つまり、視察ツアーで見聞した貴重な経験は、ビジネスという形でフィードバックされることが期待されているのです。

相手は本気でビジネスをやろうとしています。業務提携、子会社の設立、投資、日本側にできることはたくさんあります。こちらが本気でビジネスツアーに臨めば、相手方も本気で応じてくれます。

よく受け入れていただいた中国企業からきく話として

「話は丁寧に聞いてくれるけど、意見交換しようとしても情報開示してくれない」

「こちらも決済責任者を出したて会議に臨んだが、いつも決断が先延ばしにされてしまい決まらない」

「事前に何も調べてきていない」

と言った反応があるのも事実として受け止めた方がよいでしょう。

本当に必要なことは、自身の成長を通じて自身が所属する組織が成長すること、すなわち利益という形で成果を挙げることです。

視察している会社の事業を自社のビジネスとどのように絡ませて、新しいモノを生み出していくか?このことを常に意識し、より具体的な話に持っていくことが大切です。

「Win-Winの関係を築く」ために全力を尽くせば、必ずや利益という形で結果を残せるでしょう。

中国視察をより良いものにするため

いかがでしたでしょうか。

最近急増している中国視察ツアーの概略について簡単にご説明いたしました。

弊社では、様々なビジネスツアーを企画しております。

初めての方から中国に親しんだ方まで、どなたにでもご満足いただける視察内容を多数揃えております。お客様のご意見に合わせて、視察日程を柔軟にカスタマイズすることも可能です。

もしご興味がございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

きっと、上海蟹よりも月餅よりも喜ばれるお土産を持って帰っていただくことができるでしょう。

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