南京で思ったこと 

中国トレンド

ニーハオ!イマチュウ代表のバヤシです。

イマチュウは、日本と中国に拠点を持って活動しながら、最新の中国トレンドをお届けするメディアです。

 

今日は中国のトレンドとは関係ない個人的な話です。

 

今日偶然見た動画がこれです。

先週南京に行っていたのでこの動画は特別印象深かったですね。

動画の情報によると、南京には日本人が500人程度生活しているらしいです。

これは、江蘇省という日本の企業が集中する地域にあり、

省都でありながら、江蘇省の他の町(蘇州、無錫)と比べても圧倒的に少ない数です。

確かに江蘇省で働いていた時に南京の日本企業へ行く機会は凄く少なかったですね。

夫子廟や中山陵など観光名所は多いので旅行ではよく行きましたが。

南京で暮らすという事は、少なくとも他の都市で暮らすよりも歴史を意識する機会は多いと思いはずです。

南京にいて、

「特に何も感じません!」

と言ってる人がいたら、さすがに鈍感すぎると思いますね。

訪問した侵華日軍南京大屠虐殺遇難同胞紀念館には

当時の無残な様子を残す資料がたくさん展示してありました。

現地の小中学生は社会見学で訪れる場所になっていますし、

中国の教科書でも南京事件の部分は抗日戦争のクライマックスとして描かれているのは知っています。

記念館の至るところに書かれている

被害者数30万という数字

その展示物には明確な意図を感じました。

僕が中学の時初めて広島の平和記念資料館に行ったとき、

戦争に対する嫌悪感と、平和を願う気持ちが自然と湧いてきたのを覚えています。

中国の学生が南京の記念館で感じ得る一般的な感情は

平和への願いではなく、日本への憎悪でしょう。


以前、ある中国人と歴史の話しになった時に聞いた話で印象深かったのが

「中国人が日本との歴史問題に敏感になるのは教育じゃない。体験だ。

俺たちの年代は祖父母が若いころに戦争を体験している。

つまり子供の頃からいつも祖父母の戦争体験談を聞いていた。

そこには教科書の内容よりも圧倒的にリアリティがあった。忘れるわけがない」

というものです。
南京事件については日本の書籍を読んでも、色んな意見や見解がありますし

youtubeにもたくさんアップされているので興味ある人は見て欲しいです。

正直僕は本を読んでもよく分からない事が多いんですが、自分事として捉えると

南京の人の前でちゃんと意見できない言葉は言うべきではないと思います。

少なくとも僕は言えないです。

ただ歴史に対して興味をもつことは、

相手に敬意を示すことになると思っているので

理解したい、勉強したいと思う気持ちは常に持ち続けていきたいです。

 

現地に住んでいると両国の感情の溝には根深いものがあると実感させられる機会は多いです。

相互理解なんて上っ面だけの言葉じゃないかと憤ることもあります。

でも結局色々考えて、自分にできることって何かと自問自答すると

行き着くのは、

歴史を広く知ろうとすること

相手には敬意を持って接すること

自分の周りの人の役に立つことを行うこと

くらいしか思いつかず、あまりの無力さに情けなくなります。

今年もまもなく12月13日。

南京を占領した日であり、中国では国家哀悼日としてニュースが流れ、各地で集会などが行われます。

そんな日を前に、

自分の前を流れる大きな河を見て、

ただ立ちすくんで絶望するだけじゃなく

大河の一滴でも良いから、

自分にできることがあると信じて行動したいです。

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