徹底比較!中国の二大地図アプリ「百度」と「高徳」 

中国トレンド

現代人ならば、誰でも一度は地図アプリを使ったことがあるでしょう。特に、旅に出る時に地図アプリはたいへん重宝します。日本の方なら、普段使っているのは恐らくグーグルマップでしょう。しかしここは中国、Googleの機能が制限されているので、グーグルマップが使えないのです。

中国人が使う地図アプリは大きく二つあります。

百度地図」と「高徳地図」です。

百度地図は百度という検索エンジンをメインに成長してきたIT企業が展開しているサービスです。

高徳地図はアリババというECを中心に成長してきたIT企業が買収した企業のサービスです。

アプリストアで地図アプリを検索すれば、この二つが一番上に出てきます。両者とも機能的にはグーグルマップと大体同じ、グーグルマップの中国版と言ってよいでしょう。

今回は、地図アプリの大手である百度と高徳を簡単に説明し、具体的な例を挙げて両者を比較しながら、皆さんに紹介したいと思います。

(以下の写真、左側は高徳地図アプリ、右側は百度地図アプリになります)

百度地図と高徳地図

百度地図は、中国最大手の検索エンジン『百度』(バイドゥ)が展開する地図アプリです。百度については、もう説明不要ですね。

高徳地図は中国国内に特化した地図アプリです。2014年アリババに買収された後順調に業績を伸ばし、最近では人工知能を活用したディープラーニングの導入によって応用力が大幅に上昇しており、交通そのもののプラットフォームへと変貌を遂げています。

百度地図・高徳地図共に、Android・iOS 向けのアプリのほか、 PC から Web ブラウザで利用できるようになっています。オンラインでの利用&選択した地域をダウンロード、観光スポットの検索、ルート検索、乗換案内などの機能を備えています。

中国の地図アプリ百度VS高徳 ケース1:通勤

公共交通機関を利用する場合には、高徳地図がおすすめです。

公共交通機関といえば、タクシー、バス、地下鉄などがあります。

ルート検索(所要時間・徒歩距離・値段など)、乗換駅、ナビゲーションについては、両者ともよくできて、大きな違いはありません。しかしバス通勤の場合、リアルタイムな交通情報とQRコード支払いが可能な分、高徳地図に分があると言えます。次のバスが今どこにいるのか、後何分で到着するかなどの情報がリアルタイムで見れます。アリババの傘下にあるため、アリペイとAPIの連携によって、支払いも簡単に済みます

タクシー通勤の場合は、特にラッシュ時にタクシーが拾えるかどうかが大事です。百度地図・高徳地図共に多くの配車プラットフォームと連携していますが、高徳地図は複数の車種を同時に選択できる機能があり、待ち時間・値段などの情報も一目瞭然で分かるようになっています

自家用車通勤の場合は、百度地図がおすすめです。

百度地図、高度地図両者とも、運転ナビについては改善を進めており、通勤時間帯の道路の込み具合のチェック、かんたんナビなど様々な機能がどんどん増えています。

ここで百度地図を推すのは、いくつかの細かいところで百度地図のパフォーマンスが優れているからです。例えば、通行制限がある都市について(※中国の一部都市では、車の登録地などによって通行制限がかけられる場合がある)、目的地に制限があるかどうかは両者とも判断できますが、複雑な制限条件がある場合は、百度地図の情報がより頼りになります

ルート検索の提示にも違いがあり、高徳地図は出発点と目的地間で一つのルートが表示されるだけなのに対して、百度地図は複数ルートを提示してくれます。

中国の地図アプリ百度VS高徳  ケース2:施設内の検索

ショッピングモール、駅などの施設構内の検索については、両者のパフォーマンスは大体同じです。

フロアを選択すれば、詳しい構内地図が表示され、各店舗の場所、営業時間、評価などの情報もチェックできます。百度地図では店舗ごとの込み具合も見られます。但し、新しくできた施設は構内ナビがない場合もありますので、ご注意ください。

中国の地図アプリ百度VS高徳  ケース3:長距離ドライブ

長距離ドライブの場合、速度計算・交通取締警告・サービスエリア案内などの情報が大事になりますが、百度地図の設計はより合理的で、高徳地図の設計はより正確だという印象をもっています

両者とも交通取締警告はたいへん正確です。速度計算については、百度地図が区間平均速度・制限値・余剰距離を表示するのに対し、高徳地図はリアルタイム速度・区間平均速度・余剰距離を表示します。個人的には、百度地図の表示がより合理的かと思います。

但し、データの正確性ならば体感ですが高徳地図が優れているようです。サービスエリアの名前などの情報が常に更新されており、所要時間の計算もより正確です。

中国の地図アプリ百度VS高徳 ケース4:旅行

百度地図・高徳地図には旅行モードがあり、全国の観光スポットは基本的にカバーしているので、馴染みのない場所へ旅行するには非常に便利です。

アプリを開くと、観光スポットの位置情報が検知され、旅行モードを選択するよう推されます。旅行モードでは、観光スポットの解説、口コミのチェック、チケット購入などが可能です。周辺のグルメ、ホテルなどの検索もできます。

但し観光ルートの設定には、違いがあります。高徳地図のガイドマップはデジタル化した地図というイメージで、観光ルートを自由にアレンジすることが好きな若者に向いています。百度地図のAIガイドはAIがお勧めの観光ルートを生成し、各スポットの説明もでてきます。

中国の地図アプリ百度VS高徳 まとめ

いかがでしたか。今回は中国でよく使われる百度地図と高徳地図の比較しました。

どちらとも中国旅行や中国での暮らしにたいへん便利なので、事前にインストールし、用途によって使い分けると良いかもしれません。

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