中国生活が長くなると必ずといってお世話になることになるサービス。それがフードデリバリーサービスです。日本でもウーバーイーツなどデリバリーサービスが流行りそうな兆しがありますが、中国のデリバリーは日本のそれを凌駕しています。
今回はそのデリバリーサービス最大手饿了么について御説明します
中国青の軍団デリバリー
都会の喧騒を原付で走り抜けていく青いユニフォーム。
中国の外食デリバリーサービ
ス「饿了么」(ウーラマ。「お腹空いた?」の意)が、今日も中国経済の胃袋を支えています。
外食をよく使うビジネスマンの悩みのタネ、それは「お金はあるけど、時間がない」こ
とです。
かつてビジネスパーソンは、カロリーメイトやユンケルを手に、寝る間も惜し んで24時間を戦い抜いていました。「ウーラマ」は、そんなビジネスパーソンに食の楽 しみと安らぎをもたらしました。
スマホひとつで、好きな場所で好きな料理を楽しむこ とができるのです。
上海の大学生が作ったウーラマ
ウーラマは、上海交通大学の学生たちが創業しました。
彼らが大学院で食べる間もなく 忙しい研究生活を送る中、「多忙な中でもおいしいものが食べたい」と思ったのが創業 のきっかけでした。
当初はCEO御自ら配達に回るほどのザ・零細企業と言うべき会社で したが、見る間に成長。企業価値100億ドルの企業へと変身を遂げ、アリババに買収さ れるという、ベンチャー企業としては最高のゴールを迎えることができました。
出前代行をテック企業に変えた
成功するビジネスには、必ず「ここでだけは絶対に負けない」ホームグラウンドがあります。
ウーラマは当初、上海交通大学の学生を相手にビジネスを行っていました。ユニ ークなパフォーマンスで学生たちの心をガッチリつかむと、上海交通大学を基盤にビジ ネスの幅を広げていきました。
「あのサービスは儲かるらしい」飲食店が軒を並べる中国では、一旦「儲かるらしい」と評判に火がつくともう止まりません。
まさに雪だるま式に提携店が増えていき、ウーラマは10年を待たずして上海市を、そして中国全土を席巻する一大企業へと成長しました。
ウーラマのビジネスを簡単に言ってしまうと、出前の代行です。
そんな一見ありきたりな「隙間産業」をビッグビジネスに変えたもの、それは合理性に裏打ちされたデータの集積と適切な分析でした。
いつ、どこで、だれが、どの料理をどれくらい食べているか。
名門・上海交通大学の頭脳集団たちはこれを綿密に計算し、ビジネスの戦場を拡大していったのです。
彼らから見れば、これは「勝ちを確信できる戦」でした。彼らは単調で付加価値の低い仕事に、利便性という価値を乗せることに成功したのです。
アイデアと統計学の勝利だと言って良いでしょう。
美団との競争が激しくなるデリバリー業界
とはいえここは魔都・上海、ビジネスパーソンに休む暇など与えてくれません。
ウーラマのすぐ後ろには、黄色い服を着た「美団集団」が迫っています。ウーラマの熾烈な戦いは、これからも続いていくのです。
隙間産業を一大市場に変えた企業、ウーラマ。
今は国慶節の最中、木枯らしのビル街は静けさすら感じる時期です。
そんな中でも、温かい調理を必要としている人がそこにいる限り、「ウーラマ」の青いバイクは、今日も街中を走り抜けていくのです。
イマチュウではウーラマをはじめこのようなイノベーション溢れる企業の視察ツアーを企画しております。
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