9月17日に開催されたアリペイミニプログラム一周年記念イベントで、アリペイミニプログラムと新浪微博の連携が明らかにされました。
今後は微博をチェックする時に、アリペイミニプログラムも使えるようになります。
微博とアリペイミニプログラムの連携は、中国を代表する超有名アプリがそれぞれに互換性を与えるという、とても挑戦的な試みと言えます。
現在、両者の共同ユーザは2.5億人、ユーザー数は微博が1.6億人、アリペイが3.8億人、両方のアプリを使用しているユーザー数は何と2.5億人に上ります。
両者が手を組むことで、潜在的なユーザーを発掘するチャンスが生まれます。
微博がアリペイと組むメリットは、アリペイの持つブランド力を最大限に活用できることにあります。
業界を揺るがす大胆な「連携」
微博との連携はアリババ戦略投資にとって重要なチャレンジだと言って良いでしょう。
微博がミニプログラムを外部に開放するのは、今回が初めてです。
両者は初めに、行政、商業など縦割りのカテゴリで垂直領域の微博の公式アカウントを選定します。
その中で最も注目されるのは、多くのフォロワーを抱えるアカウントのプロフィールページからミニプログラムへアクセスできるようになる(但しホワイトリスト掲載されたものに限る)ことです。
これにより、微博を利用したマーケティング活動ができるという訳です。
微博はWechatなどのプラットフォームで成果をあげてきましたが、今まではあくまでも広告を流すのが目的でした。
しかし、今回のアリペイミニプログラムとの連携によって、マーケティング後の購買とアフターサービスを包括的に提供できるようになったのです。
微博にはオフィシャルアカウントが多数存在します。今回の提携で、政府や行政機関17万件、企業150万件(うち世界500強企業が39%、中国500強企業が62%)という膨大なアカウントリソースがアリペイに供給されることになります。ユーザー向けの発信力が、今後さらに増強されることになるのです。
ただ、今回の提携の展開には慎重な姿勢も見られます。ホワイトリストに載っているアカウントだけが今回の提携の恩恵にあずかれるのですが、ホワイトリストへの掲載条件が厳しい(ケンタッキーなど独立開発能力も持ち、且つユーザー向けサービスを提供できなければならない)、ホワイトリストに掲載されていても、ミニプログラムのシェア回数に制限があり、一時間に1回しかシェアされない、などの課題があるためです。
微博とアリペイによると、このような慎重な姿勢はシステムの健全性を保ち、ミニプログラムの広告を抑えるためだそうです。両者は今後提携を実施しながら細かく調整を加えていく予定との事です。
両社はマーケティングやマッピングの他にも、ミニプログラムの様々な可能性を試行しています。
アリペイ側が公開した情報によると、今回の連携は、開発・バックグラウンドを統一するプラットフォームの連携、決済・カード・検索・内容・トピックなどの機能の連携、ユーザーデータの共有などのユーザー連携の三点が主となっています。
アリペイミニプログラムの新たな挑戦
去年9月、アリペイミニプログラムの担当者である管仲氏は、ミニプログラムがアントファイナンシャルの今後3年間にとって最も重要な戦略の一つであると発言、ミニプログラムが「ビジネス」と「生活サービス」の二種類に分かれていくとの見方を示しました。
管仲氏は、アリペイミニプログラムチームの今年の戦略目標を「商売人の経営能力を上昇させる」ことに焦点を当てるとしています。
アリペイはミニプログラムの性能の向上以外に、オフラインでのアクセス方法の開拓にも重点を置いています。アクセスルートを増やすことで、より便利なサービスの提供が期待されます。
管仲の話によると、アリペイの目的はユーザーが長時間サービスを利用することではなく、ユーザーがサービスを使いたいときにアリペイを思い出してくれることだそうです。
この目的を実現するには、アリペイミニプログラムが多くのユーザーを獲得、分析することが必要です。
またアリペイは、サードパーティによるミニプログラムを許可しました。9月17日に開かれたイベント上で、アリペイはミニプログラムについて、ホットトピックなどの六つのアクセス口を開放すると発表しました。1UV獲得につきアリペイ側が3000PVを保証する仕組みです。
アリペイミニプログラムは、消費者が生産者に到達するまでの時間とコストを大幅に減らします。企業にとっても、自社独自の販売ルートの構築は、競合他社との競争に有利に働きます。ファストフード大手のバーガーキングは、アリペイミニプログラムによって、アリペイ、餓了么、高徳、微博などの多くのアクセスルートを持つことができました。微博だけで検索や、アリペイでの購入、高徳地図での検索ができ、ハンバーグキングとナチュラルにつながるという訳です。
ミニプログラムはサードパーティを惹きつけ、さまざまなビジネスの可能性を開拓することでしょう。アリペイミニプログラムや、アリババの物流・資金・人材などを利用することで、全面的なデジタル運営や高効率なシステム運用が期待できます。
アリペイミニプログラム一周年記念イベントでは、アリペイミニプログラムがアリババビジネスの基礎であり、ビジネスエコシステムの発展を促進するというスタンスが強調されました。
現在のところ、月間ユーザー数が延べ5億人を超えるなど、提携は順調に進んでいる様子です。両社の提携が次世代の中国にどんなイノベーションをもたらすか、期待が寄せられます。
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