中国で一人っ子政策が終了しても第二子を望む人が少ない理由

中国トレンド

ニーハオ!イマチュウ代表のバヤシです。

イマチュウは、日本と中国に拠点を持って活動しながら、最新の中国トレンドをお届けするメディアです。

 

今日は中国の一人っ子政策について

2016年に30年以上続いた一人っ子政策を完全廃止して自由に子供が生めようになりました。

「これでやっと何人でも子供が生めてハッピー!!」

。。。とならないのが今の中国です。

なぜ中国の一人っ子政策が廃止されても中国人がそれほど喜んでいないかをお伝えします。

 

中国の一人っ子政策とは

1980年に中国政府から公式発表され

急激な人口増加を抑制するために人口抑制制度として作られたのが通称「一人っ子政策」

具体的には子供を二人以上出産すると国からの補助を受けられなかったり、罰金が科せられたりしました。

その金額年収の3~5倍

2015年当時で300万円~500万円程度の相場だと思ってください。

※ちなみに例外として双子はOKです。あと漢民族以外もOKです。

段階的に緩和されてきており、

両親が一人っ子だったら第二子出産可能になり

2013年からはどちらかが一人っ子であれば第二子出産可能となりました。

そして2016年からは全面的に一人っ子政策が廃止となりました。

 

一人っ子政策が廃止されて出生率がどの程度増えたか?

政府によってコントロールされていた子供の数が自由になり

中国人の両親はとても喜んだかというと、そうでもない場合が多いです。

中国版の国勢調査によると

中国の出生率は現在1.1程度です。

但し国家衛生・計画出産委員会によると

出生率は1.5~1.65と発表されました。

政府の統計は往々にして書き換えられているので、どちらが信ぴょう性があるかは想像すれば分かると思います。

政府の思いと実体がかい離していることが伺えます。

 

個人的にも中国で生活する人であれば気付くと思いますが、1.5~1.65の出生率であるわけないと思っています。もっと低いはずです。上海では1.0を大きく下回っているようです。

中国で生活していた肌感覚としては基本1人っ子以外いない。ごくまれに裕福な家族で2人目を生んでいる人がいる程度と感じます。

 

中国で一人っ子政策が廃止になっても二人目を生まない理由

現在の中国では複数の子供を育てるには、経済的、精神的な負担が大きすぎるというのがあります。

具体的に言うとまず、中国では幼稚園から塾などに入れて教育を始めることが多いです。

のびのびと子供を育てるという感覚は少なく、いかに競争を勝ち抜ける人材になるかを重視して教育熱も過熱しています。

中国では子供を成人まで育てるのに約2000万円程度はかかると言われているので、二人目は無理と断念することになります。

また自分自身が一人っ子で育った親は、兄弟がいない家庭でも気にならない、一人で十分と考える傾向が強いように感じます。

 

もうひとつの理由として、共働きが基本の中国では、女性もキャリア志向が強く、

結婚したら子育て中心の生活をおくりたいと考える人は少ないです。

なので、出産をすることで、仕事に影響が出たり出産休暇をとることで仕事に支障がでることを気にしている人も多いです。

実際に中国の管理職は女性が多く仕事も男性と同じようにこなしている人が多いです。

競争社会で勝ち抜いていくためには、出産や育児に時間を取られたくないと考える人がいるのもうなずけます。

まとめ

中国では一人っ子政策が修了しても実際の出生率が政府の望んているような数値にはなっていないです。

試算では2028年頃に中国は人口のピークを迎え、その後は人口減少の局面へと変わっていく予想です。

そうなった時、第二子、第三子の出産時には国や地方から補助金が出るような政策へと転換していくと思います。

 

一人っ子政策の悲劇や実情について詳細を知りたい方はメイ・フォン著の「中国「絶望」家族」をおすすめします。

一冊全て中国の一人っ子政策について書かれていますので、理解が深まります。

 

 

 

 

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