中国のリテールテクノロジーサービス企業―「有賛」

中国トレンド

「有賛」という、リテールテクノロジーサービスをメインに事業を展開している中国企業が今凄い勢いがあるのを御存じでしょうか?

日本ではまだその存在を知る方はまだ少ないですが、中国ではSNSを駆使したマーケティングの巧さで急成長している企業として有名です。

同社は様々なビジネスサービスを提供するとともに、今注目を集めているニューリテールソリューションにも取り組んでおり、伝統的なECショップとは一線を画す展開で多くの実績を上げています。

店舗運営も年間6800元~と安価でECショップ展開が可能となり、SNSを通じて販売員制度(紹介して売れた場合利益を還元するアフィリエイト方式)など販売サポートも充実しているのが特徴です。

中小規模の店舗の場合、タオバオなどに出店するというのが昔ながらの展開方法だと思いますが、タオバオ内の店舗も競争過多で中小店舗が展開するのはかなり難しいというのが現状です。

そんな中登場した「有賛」「微店」などのSNSを活用したネット店舗が人気となっています。

今回は注目企業「有賛」について紹介したいと思います。

「有賛」の歩み

有賛は2012年、白鴉氏により設立されました。

当時の社名は「口袋通」で、現在の社名「有賛」に変更されたのは2014年11月のことです。

「做生意,用有賛(ビジネスやるなら、有賛を使おう)」をキャッチフレーズに、ネットショッピングやリテールなどの完璧なソリューションをお客様へ提供することに目指しています。

創業当時は小規模なネットショッピングサービスを中心に事業を展開していた有賛ですが、現在は豊富なサービスラインナップを取り揃えるまでに至っています。

2019年4月3日には、テンセントをはじめとする投資家から10億香港ドルの投資を受けるまでになりました。

有賛は、この資金をオフライン店舗の事業展開と、産業ネットワークでのニューリテールの実現に投じる、と発表しています。

有賛の香港市場における2018年の総取引額は、330億元(約5166億円)に達しました。投資家から高い評価を受けている有賛は、今もなお順調な成長を見せています。

「有賛」の展開するサービス

有賛は、WechatなどのSNSに基づくECシステムと一体化したニューリテールソリューショサービスを提供しています。

現在有賛が展開しているサービスは、リテール業者向けの下記の通りです

「有賛ミニショップ」

「有賛リテール」

「有賛美容業」

「有賛ミニアプリ」

SaaSソフトウェアサービス「有賛学院」

開発者向けPaaSサービス「有賛クラウド」

大手ブランド向けの「有賛プロモーション」

「有賛卸売」

エンドユーザー向けの「有賛厳選」

「有賛ミニショップ」

など、多岐に渡っています。

「有賛」の主な機能

有賛のプラットフォームには、様々な機能があります。

「有賛ミニショップ」

優れた機能を持つECシステム「有賛ミニショップ」では、ネットショップ構築での問題をすべて解決できます。

Wechat、QQ、微博、ミニプログラムなどを通じて、SNSネットワーク上でアプローチを行います。

用意されたテンプレートは50業種以上に及び、自分のショップサイトを自由にデザインできます。

操作も簡単で時間もかかりませんので多くの代行や小規模店舗のオーナーの間で人気となりました。

経営戦略も多数用意されており、キャンペーン、新規開拓、販促、プロモーションなどを手間をかけず実施できます。

また、お客様の履歴を有効に管理し、売上アップに繋げています。

「有賛リテール」

実店舗やネットショップを複数持つ場合は、「有賛リテール」が非常に便利です。複数の店舗を効率よく管理でき、データレポートをチェックすれば経営状態が一目でわかります。

各店舗の在庫管理が簡単にできるだけでなく、ミニプログラムなどのツールを使ってストリームを分ければ、各チャネルの売上をアップすることもできます。

お客様の志向を分析し、その指向に合った販売を行うことも可能です。

「有賛美容業」

美容業界、ネイルサロン、医療整形向けのソリューションサービスです。オンライン予約、Wechat上でのミニプログラムの構築、キャンペーンツールなど多彩な機能があります。

多くの予約モードが設定でき、様々なニーズに対応できる仕組みになっています。クーポン、体験、抽選など多様なキャンペーンを簡単に行えます。

包括的管理システムにより、会員の方々のデータを活用し、売り上げにつなげていきます。

まとめ

いかがでしたか?今回は「有賛」について簡単に紹介いたしました。

「有賛」は現在最も注目されている中国企業の一つですので、イマチュウでは今後もウォッチして行こうと思います。

「有賛」は、中国進出を目指す方にとって、今後きっと大きな力になっていくでしょう。

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